私――戸田 琴葉が、竹内 龍太と(金曜日だけ)付き合い始めてもうすぐ1ヶ月。

呼び方も“竹内君”から“龍太”に変わってきたこの頃……。




――――…実は今、ピンチです。


私が今いる場所――滅多に誰も来ない校舎裏庭。

目の前にいるのは

龍太のとりまきの綺麗な女の人達。

――そうです。


呼び出しをうけちゃいました。

しかも、有紗がいないときを狙って……

「アンタ、たいして可愛くもないくせに、龍太を独り占めしてるんじゃないよ!!」

…いえ、独り占めできてませんが…。

「龍太は私たちみーんなのアイドルのようなものなのよ!」

…アイドルって…どうみてもヒール(悪役)の方が似合いそうな…

「同じ図書委員でちょっと優しくされてるからって、調子にのるんじゃないわよ!」

…優しく…されてるように見えるのかな…。どうみてもひどいことされてる気がするけど…

「ちょっと!黙ってないでなにか言いなさいよ!」

そう言ってリーダーらしい女の子が私の肩を掴むと校舎の壁に押し付けてきた。

「――…っ」

肩に走る痛み。


そのとき―――


カシャ!


「なにやってんの?」


なにかの音とともに現れたのは――――…