ファミレスを出たところで龍太の足が突然止まった――――



なに……?

龍太を見上げた。

「―――」

それは…今まで私には見せたことのないような

切なげな、苦しげな

だけど…………とても優しい瞳。



私は龍太の視線の先にあるものをさがした。

どこにでもある普通のコンビニ。

その中の雑誌コーナーにいる2人の高校生らしい少女。

1人は背が高くて、雑誌のモデルかと思うほどに綺麗な子だった。

そして、もう1人は少し幼い印象だけど笑顔がとても可愛らしい子。

2人はそこで雑誌を見ながら楽しそうになにかを話している。

誰?…あの子達…龍太とどんな関係なの?


―――訊きたい言葉をぐっと飲み込んだ。

「…龍太?…帰らないの…?」

龍太はゆっくりと視線を私に向けた。

「ああ…そうだな、帰るか」

そう言うと駅に向かって先に歩き始めた。



私はコンビニの方を何度か振り返りながら、龍太を追いかけた。




…もし、龍太が本気で愛する人が現れたとしたら…この関係は終わってしまうだろう。

龍太はきっとまだ本当の恋も愛も知らないはずだから……。