――――…15年前。

龍太 8歳

琴葉 7歳



「ことはちゃん、今日でさよなら」

今にも泣き出しそうなそんな声が聞こえてくる。

「…さよなら…?」

「うん、さよなら」

龍太の部屋。

初めて入ったあの日。


最初の別れの日。



「―――…指切りだけじゃダメだよ!」

「あのね?僕、この間テレビで見たんだ」

「うん」

「あのね?……好きな人とは神様の前でキスして、えいえんのあいをちかうんだって」


「……――えいえんってなあに?」

龍太が小さな私の手を握っている。


「うーんとね?ずーっとずーっと好きでいるってことだよ?」

「ずーっとずっと?」