あの日、誓った約束を

ここでもう一度。



―――――――…


「だけどな」

抱きしめる腕の力を強める。


「今度こそ…いつ帰るか、帰れるかわからない」

「だから…約束するんじゃない」


「ん…―――それでも…それでもな」

絡めた指がスッと離される。


「…――もし…もしも俺以上に大切な人ができたら―――」

「ヤだ、龍太。なに言うの?そんなことあるはず…」


離れても――――心は1つのはず。繋がっているはず。


もしも、なんて…聞きたくない。


「そりゃ…ない方がいいに決まってる」

曖昧に微笑む。

「でもな、人の気持ちなんてわからない…」


いつからか―――…誰のことも信じられなくなってしまった龍太。

「いつか、もしかしたら琴葉にも大切に想う相手が現れるかもしれない」