おじさんから聞かされた、龍太にとっての彼女の存在。


龍太の初恋の相手。

ずっと忘れられなかった。

そんな相手に


私が勝てるわけもなく


彼女に、おじさんの名刺を渡した。


それを彼女がどう使おうと知ったことじゃない。



龍太はもう私には関係ない男。


そう自分に言い聞かせ

モデルの仕事に集中した。


もともと、龍太に近づいたのだって

憧れのSEIKAの子供だったから。

SEIKAのようにカリスマ的なモデルになって、女優へステップアップしたい。


―――――…



年も明けたある日。


おじさんからの突然のお茶の誘いで

おじさんが今仮住まいにしているホテルに向かった。


―――…

「おー、麗美、久しぶりだな」

「うん、ホントね。おじさんは元気だった?」

「ああ…まあ、とりあえず中に入れ」

「うん。お邪魔しまーす」