先輩―――――…

どこに消えてしまったんですか?



“美央―…”

いつも優しく私の名前を呼んでくれて

いつも優しく頭を撫でてくれた。



先輩にとって

私は

一度も妹以上の存在になったことはない。


“束縛するな”“詮索するな”“キスはしないよ”

そんなことを口では言っていたけれど

不思議とイヤじゃなかった。


だけどね

キスもしないけど

それ以上も一度もなかったよね。

他の彼女とはホテルに行ってることは知っていた。


だけど私は一度だって誘われたことはなかったから。


先輩にとって私は

いつだって

“妹”だったんだ。



そして、ある日突然

先輩からの連絡が途絶えた。


何度も携帯に電話やメールをした。


なのに―――…

気がついたときには、全く繋がらなくなってしまっていた。



「どうして?」

私、先輩に嫌われるようなこと、なにかした?


思い悩んだ挙げ句。


先輩の通う高校に行くことにした。

先輩がこういうことをする女を嫌いだってわかっていたけれど……。