雪は――…さらに降り続け、この地方ではめずらしく明日は積もりそう――…


「用があるので部屋に戻ります」

ちょっと感じ悪いかなと思いつつ、そう告げてその場をあとにした。

自分の部屋に入るとすぐにベッドにダイブした。

そのまま、目を閉じる。


―――…疲れた。

頭が重い。


――――――…


―――――


サラッと誰かが髪を撫でる感覚に、意識が覚醒していく。

――…誰?

ギシリとベッドが軋む音が聞こえて、少し沈む。


なかなか目を開けることができない。

ゆっくりと、開けると

「あ、琴葉」

ベッドに龍太が座っていた。


「――…私…寝てた?」

「おう、けっこうぐっすりな」

フッと笑いながら私の頭を撫で続ける。

「…いつからいたの?」

「ついさっき。いつの間にかお前がいなくなってたから」

「そっか…」

体を起こそうとする私の肩を龍太がそっと押し返す。

「お前、疲れてるんだろ?もう少し寝てろよ。ここにいてやるから…」