「…おっさん!なんでここに琴葉がいるんだよ。聞いてないぞ」

「私も…作本さんに呼ばれたの…」

「は?―――琴葉、お前…こんなとこにフラフラ来てんじゃねーよ。あのおっさんだって一応!男なんだぞ!」

妙に“一応”を強調する。

「えー…だって…」

龍太のこと、もっと知りたかった。だから、危険かも…って思いながらもここへ来た。

「おいおい龍太。いくらなんでもお前の大事な琴葉ちゃんに手を出すわけないだろ」

ニヤニヤしながら龍太を見ている。

「え?――私って…大事なの?」

作本さんの言葉に思わず龍太を見れば

「…うるせーよ」

そう言いながら耳まで真っ赤になっている。

そんな顔、初めて見るよ。

フフッ。

口元を手で覆いながら、溢れる笑みを抑える。

「こらっ琴葉、笑ってんじゃねーよ」

そう言って私の肩を引き寄せて、龍太の腕の中へ――…

え!?

突然の龍太の行動に戸惑う。

「いいね、若いっていうのは」

目を細めながら私達のことを見ている作本さん。


「――…っていうか!話ってなんだよ!」