「……」

「その写真、見て」

言われて、手に取り見る。


そこに写っていたのは

多分産まれて間もない赤ん坊を抱いた、今よりさらに若い作本さん。


「…えっと…これって…」

どう反応していいか困っていると

作本さんはガシャッと音をさせてテーブルの上の灰皿を引き寄せ、吸っていた煙草を消して

「そこに写っている赤ん坊は、産まれたばっかりの龍太」

そう言った。



「え?龍太!?」

どうして…龍太と作本さんが一緒に写真写ってるの?

どういうこと?


怪訝な顔の私に、髪を掻き上げながら


「龍太はね…―――俺の息子なんだ」

ボソッと呟いた。



「――――…え!?」


息子!?


「やっぱり、なにも聞いてないみたいだね、麗美からは」

――麗美さん?…どうしてここで彼女の名前が?