「龍太…?今…どこ?」

私のその問いには答えず

『―――…じゃあな…元気でな…琴葉』

そう言って電話を切ろうとしている。


「龍太!待っ―――」

ブツッ―――ツーツーツー……

聞こえてくるのは無機質な機械音。


急いで周りを見た。


そして―――…走った。

こんなに走ったことはないんじゃないだろうかっていうくらいに。



どこ?

どこに?

どこで?

どこから…私を見てた?



近くにいる。

龍太は私の近くにいる。

確信にも似た気持ちで。


「――…龍太ーー!!」

出る限りの声を振り絞って叫んだ―――…