「…じゃあ、あとはマンションに行ってみるしかないわよね」

有紗に言われて放課後、龍太のマンションに行くことにした。




――…相変わらず高くて大きいマンションを見上げる。

「――でかっ!!」

「―――うん」

沖本君も有紗も同じように見上げている。


記憶に残る部屋番号を押し、インターホンを鳴らす。

が、反応はない…。

「…いない…ね」

オートロック式だから部屋にも勝手には行けず、途方に暮れる。

沖本君がもう一度携帯にかけてみる。

だけど、やっぱり繋がらなくて…

なにが起きたのか、わからないまま―――


龍太は突然、私達の前から消えてしまった。




そして―――


私は龍太との突然の別れも受け入れられないまま、数ヶ月を過ごし―――


季節は暑い夏へと移っていき、高2の夏休みを迎えた――