「琴葉ちゃん!龍太が…」

朝、突然血相を変えて教室に飛び込んできた沖本君。


「りゅ、龍太が…どうしたの?」

不安がよぎる―――…



「…アイツ…先週いっぱいで学校を辞めたらしいんだ…」

「えっ!?」



それは予想もしていなかった出来事。



「――…どうして?」

「俺にもなにがなんだか…携帯にかけても…繋がらないし…」

彼もかなり動揺していた。

そんな様子の私達を見ていた有紗が


「…マンションに行ってみたら?それかバイト先とか」

そう言った

「あっ!…そっか」

彼はなにかを思い出したように携帯を取り出し、どこかにかけ始めた。

「――…あ、俺、慎。あのさ、龍太、昨日バイト来たよな?…うん…えっ?――…そっか…わかった…じゃあな」

「どうだった?」

「それが…今、コンビニで龍太と一緒にバイトしてる友達に聞いたら…」

沖本君は次の言葉に躊躇しているよう。

「どうなの?沖本君!」

「――…バイトも…昨日で…辞めたらしい」

「えっ?…バイトも!?」

――…辞めた?