急いで起き上がり表示を確認する。

“着信　有紗”

――…正直、誰とも話す気分じゃなかったけれど、ひたすら鳴り続ける携帯に仕方なく通話を押す。


「…―もしもし」

『――…やっと出た！出ないから心配した！』

「…ゴメン…寝てた」

『…慎から話は聞いた』

「………そっか。ゴメン…心配かけて」

『そんなことはいいの！それより…アンタはこのままでいいの？』

「…いいもなにも…」

電話にも出てくれなくて、今の私になにができるっていうの？


『琴葉は別れたくないんでしょ？その気持ちちゃんと竹内に言った？』

確かに…突然告げられた別れの言葉にショックを受けて、なにも言わずに帰ってきたのは事実。

「……でも、龍太…電話にも出ないんだよ？」

『じゃあ、明日会ってちゃんと自分の気持ちを言いな！』


明日―――学校で？


『私が絶対に捕まえて連れてくるから！わかった？』

「…うん」



けれども――私の気持ちを伝えることはもうできないと――次の日、知ることになる。