Kiss Kiss Kiss

「今 何時?寝ちゃったんだな。」

「十時です……明日締切の原稿があると思ったので…
苦いコーヒー持ってきました……。」

声が震える。

気づいてないよね……
後ろめたさに目を合わせられなかった。


「真澄は帰った?」

「はい 司さんも出かけちゃいました。」

「そっか あの親子の放浪癖は
遺伝だな~~」笑いながら 朝陽さんはベットから起き上がる。


残念……
甘い悪戯は中止だ……


「コーヒー少し冷めてるね。」

その言葉に心臓がバクンと鳴った。


「あ……あんまり気持ちよさそうに寝てたから
起こすの可哀そうだなって思って……
中庭みて時間過ごしてました。」

「寝顔見られたんだ~~
いびきかいてた?」

「いいえ~静かに寝てました。」

「寝顔は無防備だからな・・・・」


え?さっきまでの私の悪行知ってる?


「じゃあ 失礼します
片づけたら 寝ます。」

「ありがと 起こしてくれなかったら
大変だったよ。」

「あまり無理しないで……体が心配です。」

「ありがと でも夕日ちゃんがいてくれるから
とても心も体も癒されてるよ。」

嬉しい言葉に飛び上がりそうになる。