Kiss Kiss Kiss

「朝陽さんは？」
出てこない朝陽さん

「寝てる。起こさないで行くわ。」

「わかりました。」

スリッパを脱いで　ヒールの高いパンプスに
はきかえると　すごく大きな人に思えた。

「そう言えば　夕日ちゃんって
知り合いの娘さんって言ってたけど……」

「安西…安西　星子って……母と朝陽さんが
知り合いだったみたいで……
母が亡くなって　お世話になったんですけど
知ってますか？」

「安西……星子……安西……」


そうつぶやいて驚いたような顔で私を見つめる真澄さん


「知ってますか　母のこと……」

「亡くなったの？」

「はい……。」

「それで朝陽があなたを引き取った……？」

「詳しいことはわからないんですけど
死ぬ前に母が連絡してお願いしたようなんです。」

真澄さんが　今度はゆっくりと
私を見つめた。

「そっか……。
もしかしたら……あなたが朝陽を
変えちゃうかもしれないわね。」


「え？」

「ううん　何でもない。
朝陽のこと……頼むわね。
司もね・・・・・。」

「はい　また来てくださいね。」


「星子さんの娘さんか・・・・・。」
真澄さんはそう言い残して　帰って行った。