Kiss Kiss Kiss

インターフォンが鳴って出て行くと
初めて見た担当さんだった。


「江上と申します。先生は?」

「あ 今眠ってます。起こしますので……。」

「いえ 起こさなくていいです。
お疲れなんでしょう?」

担当が女の人なの 初めてだった。

「はい。」

「今回のお手伝いさんは続いてるのですね。」

「え?」

「いつもは息子さんに潰されちゃうって
先生が嘆いてましたから・・・・・。」


一つに束ねてアップにして少しきつそうな
担当女性は 慣れた感じでスリッパにはきかえた・・・・。

この人と出かけるの?

「おかまいなく・・・・。」


そう言うと朝陽さんの部屋に入って行った。


ちょっとなんなの あの人!!!

おかまいなくが気になって仕方がない。
何度もコーヒーを持って行こうかと考える。

廊下を掃除しているふりをして
朝陽さんの部屋の前で中の様子を伺った。

「先生……」甘えた声が聞こえてドアにへばりつく

「ん~~~」朝陽さんの声

「すごいいいですね。この脚本!!!
なんだか読むだけで 胸が熱くなります。」

「ありがと 今回は苦労したんだ~~
休暇で遊びすぎた罰かな。」

「ウフフ……遊びすぎ?」

江上さんの声が何だかいやらしく聞こえる。