「それで私は何をしたら……」

「ちょうど家政婦さんが辞めたばかりなんだ。
家事は……できるかな?」

「はい。母が働いていたので
小さいころから変わりにやっていました。」

「それじゃ住み込みで明日から 働いてもらえるかい?」

「住み込みですか?」

「どこか行くところはあったのかい?」

「いえ!!!助かります!!!
あ~~ほんとだ 王子様は助けてくれた~」

「王子様?」

「あ あなたのことです。
母があなたのことをそう言ってました。」


嬉しかった。
正直これからどうしようかと思っていた。
当面貯金で安いホテルをとって
職探しをしようと思っていたから


「うちは厳しいけど 大丈夫かな?」

もっと厳しいとこだと思うとこへ
行くともりだったんだもん。


「私 根性はあるんです!!!」

ここに導いてくれたのは 運命だって
そう思った……。


「おかあさんも言ってたよ。
夕日は 強い子ですって……。
星子さんに……よく似てるよ……。」

瀬崎が笑った。