私が普段行かない方向

この街の中心部は車がめっちゃ多い。
朝陽さんのこれからの仕事のスケジュールの確認や
担当さんの話なんかしながら
車は駐車場に入って行く。

デパート

見るからに高級な感じ

何だかこの格好が恥ずかしくも感じる。


朝陽さんの後ろをついていく。

「いらっしゃいませ。」

大人の女性が落ち着いた声で礼をした。

スーツがたくさんかかっている。

「朝陽さん……」

慌てて声をかける。

「何着かどこにでも着て行ける洋服を
買ってあげようと思っていたんだ。
私の予定には 今日その買い物を入れてあったから……
イメチェンしてたからビックリしたけど
どう?こんな感じ……」

「いえ それなら私のお給料で買います。
もっともっと安いとこでいいので……」

慌てる・・・・

「いいものを持っていたら長持ちするからね。
私のスーツなんかはかなりの年代ものだよ。」

朝陽さんは私を眺めながら
スーツを胸に当てながら

「ん~~~~」と言った。

店員に

「これ三着 試着させて。」と言って
店のソファーに腰かけた。