私が進化したような気がした。
そのままおねえさんに進められて 店の中にある
美容室に入った。

「どうします?」
後ろに立った男性美容師が言った。

「綺麗になりたいんです。
お任せします。」

初めての美容室
今までは 器用な母が肩で切りそろえてくれていた。


「カラーしてパーマかけて……」
何だか美容師が説明してたけどよくわからないから

言われるがままにうなずいた。

雑誌を数冊持ってきてくれた。

「絶対綺麗になるよ。
素質感じるもん。」

「またまた~~~~」

「仕上げは任せて。気にいったらまたボクを
指名してくれる?」

「はい!!」

雑誌を真剣に読んでいた。
今まで自分がいかに無頓着だったか

綺麗になりたくみんな努力してる
家から出ないしって すっぴんで髪の毛一つに
まとめてるだけだった自分が

朝陽さんに恋してるなんて
チャンチャラ笑えるしょ・・・・・・。



女にみられるはずもない・・・・
母みたいに逞しい女になるところだった……。
 

今までの自分で朝陽さんの前に
得意になって立っていたのを思い出して
恥ずかしくなる。

綺麗になって
絶対に絶対に 朝陽さんを手に入れる!!!

なんて心の中で声をあげた。