Kiss Kiss Kiss

「とうさんは仕事場…って家だけど
仕事場には女は絶対に入れないんだ。
編集者とかは別だけど そっちがらみの女とは
もっぱら外でしか会わない。
だから家にいるとうさんには 女の匂いはしないけど
外にいるとうさんは 女を
変わり順番に取り換えるんだ。
だけどあの性格だろ?一人ってのには縛られない
それで納得してる女としか付き合わない。
優しい顔してるけど そこらへんは
冷たいらしいよ~」

「何でそんなこと司さんが知ってんの?」

「俺はそこからのおこぼれとやったことあるから~」

「え?朝陽さんの恋人と?
息子なのに?」

「向こうからモーションかけてきたんだ。
後で聞いたらとうさんにふられたらしい。
モデルでめっちゃきれいだったから
やっちゃったんだ~」

「最低!!!」

「やってる間ずっと俺ととうさん
わかんなくなってて
恨み言ばっか言って
冷たいとかひどいとか……だけど好きなのとか
どんだけとうさんに操られてんだか
そんな聞き分けのいい美女がたくさん
とうさんの周りにはいるんだって
声かかるのを待ってるらしいよ。」

「嘘ばっかり……。」

「順番待ちしてるんだって
とうさんからしたらゲーム感覚だよ。
おまえ少しとうさんにたいする美化は
取り除いた方がいいぞ。免疫なさそうだし……
とうさんも普通のオトコだしな。」

司はそう言うと出かけていってしまった。


「もう!!!大嫌い!!!
意地悪なことばっかり言って!!!」


豪邸に一人ぼっち


朝陽さんがいないこの部屋がたまらなく悲しい。