Kiss Kiss Kiss

朝陽さんさえいれば………


「タクシーが来ました。」

「はいはい~」


部屋から出てきた朝陽さんは
いつもとまた違って

オシャレに決めてかっこよかった。

「じゃあ 司は食事はいらないって言ってたから
夕日ちゃんはお休みのつもりで過ごしていいからね。」


旅慣れしてる人って
こんな感じなんだ………。

「ちゃんと戸締りしてね。」

靴を履いて 私を振り返る。


泣きそうになった。
だって朝陽さんがこの家にいないなんて……


「いってらっしゃい。」


抱きついて
「行かないで 私もつれて行って」

そう言えたらどんなに楽になるだろう。


「おみやげ買ってくるよ。」

そう言うと朝陽さんは 出かけて行った。

私は急に生きがいを失ってしまったように
喪失感に包まれる。


朝陽さんがいない四日間
どう過ごせばいいんだろう。

だって朝陽さんがいるから楽しい・・・・
褒めてもらいたくて頑張る・・・・・


なのに朝陽さんがいない


この大きな家がまたさらに大きく感じる。

リビングに戻ると 司がいた。