Kiss Kiss Kiss

「朝陽さん 今週末は予定が入ってませんね。」

スケジュールを見ながら
朝陽さんに言った。

「やっと休みか……。
あと三日で仕上げたら休めるか……。」

朝陽さんは立ち上がって 中庭へ降りて行った。

朝陽さんの仕事はいつも
追われていて気の毒になる。

編集者の人が
入れ替わりやってきては 別室で
原稿ができるのをイライラしながら待っているから
私はできるだけ美味しいおやつを
作って差し入れする。

決まって太田さんが言ったように
甘いものは笑顔にしてくれるけど
たまに甘いものが苦手な人もいたりして

私なりにデーターを作って
顔を覚えがてらタブレットにデーターをとって
けっこう楽しかった。

一応秘書でもあるから。

「お休みはどうするんですか?」

「突然だったからな~多分 ちょっと旅行かな。」

「旅行?どこへ?」

「まだ決めてないけど……
その間 司と二人だけど大丈夫かな?」

そっか
朝陽さんがいないときもあるんだ・・・・。

「夕日ちゃんも たまにお休みして
司には確認しておくから 
一日くらいはゆっくりしてもいいよ。
なかなかお休みってあげられてないからさ。」

「いえいえ。
全然苦じゃないです。反対にゆっくりしてって
言う方が何していいか 考えちゃいます。」

そうだよ……。だってここでの生活最高だもん。