きれいになりたい・・・・・

もっともっともっと・・・・
あなたの視線を独り占めできるくらいの
女になりたい・・・・・

「あ……」

キッチンに弁当箱が無造作に置かれていた。
いつものようにまた
食べてないんだろうけど・・・・・

一応は持って行ってくれてる司

最初作ったまま戻ってきたときは
凹んだけどこれって宣戦布告だと思ったら
こっちだって負けるもんかって意地になった。

「ごめんね
司はなかなか一筋縄で行かない子で
父親のくせに情けないけど……何考えてんだか……」

朝陽さんが申し訳なさそうに言った。


朝陽さんが優しく微笑んでくれれば
司なんてどうでもかまわない。


私がこの仕事が楽しいのは
朝陽さんのために仕えてるってことだけ

「思春期です。男の子って
いつまでもガキだから・・・・
全然~へこたれませんよ。
そういう方が燃えます!!!」

「あはは~~~
さすがだね~~~~」

足の指の間に砂がついていた。


これ以上歩くのはヤバい・・・・・

「バスルームで足だけ流していいですか?」

朝陽さんに言うと

「どうぞ~私たちがいないときは
ゆっくり入っていいんだよ。
私は部屋にいるから ゆっくりしなさい。」

そう言うとリビングを出て行った。