Kiss Kiss Kiss

三時間が待ち遠しかった。
部屋の中をいろいろ見回ったら 
見れば見るほど豪華な家に驚くばかり


こういう暮らしを当たり前にしてる人もいれば
私のように狭くて古いアパートで
身を寄せ合って暮らしている人もいる


何が違うんだろう
世の中やっぱりお金なんだろうな……。

そのお金を稼ぐために 母は昼も夜も働いた。

建築現場で手伝いをしていたせいか
母は母と言うよりも父のような
逞しさもあり(笑)

夜は 街の中に一軒だけある
ラブホで12時までベットメイクをしていた。


働いて働いて
おしゃれをすることもなく
ただ必死に毎日を生きていた。


そんな母を バカにする人もいたけれど
私は母が大好きだったし 誇りだった。

現場で男の人と対等にやり合う母は
カッコイイと思ったし
私も母と同じで 負けず嫌いだった。


そんな母が私を産んだ時は女だったんだろうなって
父親がどんな人だったのか知りたいこともあったけど

それは聞いてはいけないことなんだと
小さいころからなぜかそう思っていたから

結局私は 父親のことを
何一つ知らずにこれからも生きて行く。

朝陽さんが・・・・
まさか父親じゃないよね……
生まれて初めて素敵な男性を知った。