Kiss Kiss Kiss

「母は病気で亡くなったの。父親はいない。」

「親父の知り合いの子?」

「そうみたい。朝陽さんに死ぬ前から
お願いしていたみたい。それでここに来たの。」

「図々しいな~」

胸がズキンとした。

確かに図々しいよね……自分でもそう思う。


「うん図々しいって自分でも思うけど
生きて行くためには…朝陽さんを
頼るしかなかったから 一生懸命恩返しするわ。」

「いつまでやれるんだか。」

「あんたには尽くさないから。」

「は?」

「私は朝陽さんに救ってもらった。
朝陽さんのためだけに働くから。」

「家政婦だろ?家全般だろ?
おまえさ 意味しらねーの?」

「とにかくそういうことだから
個人的に私に頼まないでね。」


綺麗な顔がアホみたいに ポカ~ンとしてる。


ざまみろ


負けないから
今までだって闘ってきたわ。


朝陽さんのためだけに 働かせてもらう。
キッチンの引き出しを開けて
何が入っているか確認した。

朝陽さんのコーヒーはこの豆で ブラック


朝陽さんのことたくさん知りたいそう思った。