Kiss Kiss Kiss

「あ ごめんなさい。
使用人の分際で おぼっちゃまのお心
深く傷つけてしまいました。
以後 気をつけま~~す!!」

司はぽか~んとした顔をしている。


「おぼっちゃま 私の契約は明日からなんです。
どうぞよろしくお願いします~」

「どうせすぐ辞めるんだろうけどな。」


絶対やめないもん
こうやって住むところも与えてもらって
ここを出たら・・・・・


さっきまで決心してきたはずだったのに
今はもう夜の仕事なんて
できないって思っていた。


朝陽さんが優しいから
こいつが口悪くても頑張るもん


「家族は 司さんだけ……?他には?」

「いねーよ。」

「おかあさんは?」

「今頃パリかな~」


どういう意味だろ・・・・・・。


「旅行?」

「離婚して好き勝手にやってる。」


司の顔が曇った。
離婚したんだ・・・・・・・


「子供は親を選べねーからよ。
俺は 母親に途中放棄されたってわけ~~
そう言えばおまえは 何でうちで働くんだ?
親は?」


司は朝陽さんと同じ立ち位置で中庭を見てる。
横顔がとてもよく似てる……

うらやましくなった、。