「結婚してくれますか?
先に病気になったり死んでしまうかもしれないけど
その時迷惑にならないように
しっかり準備していくので……
こんなおじさんと一緒に歩いてくれますか?」

私は朝陽さんの頬を軽くつねった。

「私の大切な人なのに
そんな悲しいこと言わないでください。」

「あはは
そっか ごめん ごめん……。
でも大切なことだから……。」

「病気にならないように気をつけさせるもん。
年を感じないようにいつも
オシャレでいてもらうし……
私は朝陽さんのためにいろんな努力もする!!」

朝陽さんは私の左手をとった。

「ありがとう。
もう一度 人を愛して……
家族をつくってみたい……夕日ちゃんと……。」

そう言うとポケットから小さな箱を出して

薬指に静かに指輪をはめてくれた。


「え?」

驚く私

「もっと先になると思ってた。
プロポーズまでの道のりを頭の中で模索してたけど
何だかバタバタしちゃって……
今 言っちゃったよ。」


涙で指輪がさらに輝いた。

「結婚してください。」

「はい!!」

朝陽さんの顔が涙で曇った。