しばらく朝陽さんは泣いていた。

そして
「ごめん いい年して…恥ずかしい
顔あげられないよ……。」

落ちついたのか 朝陽さんがそう言った。

「どうして?
我慢しちゃダメだよ……
私の前では いろんな朝陽さんでいていいんだよ。
どんな朝陽さんも
大好き……。」

「夕日ちゃん……
きみに 出会ってから少しづつ自分が変わって行った。
まるで 星子さんと出会った頃みたいに
素直になっていく……。
きみの強さが 無理しないでいいんだって
そう言ってくれてるみたいで……父親くらいの年なのに
バカじゃないかって思ったけれど……。」

「父親じゃなくてよかった。
だって恋できなかったもん……。
私の名前はきっと 母が朝陽さんを思い浮かべて
付けた名前なのね……あさひ と ゆうひ 
そして母が空から見守ってくれる 星になって・・・。」

「きみの名前を聞いた時
俺もそう思ったよ………。」

「きっとおかあさんが
朝陽さんに恋していいよって言ってくれたんだ。」


背伸びして朝陽さんの顎先にキスをした。


「また人を愛していいよね?」

朝陽さんが言った。

「うん 愛して
ずっとずっと 一生……
私はその何倍もお返しに愛してあげるから…。」


「どっちが年上かわからないね。」

二人の唇が重なって 朝陽さんの背中を
抱きしめる。