そして
母と朝陽さんが結ばれて


朝陽さんが血がつながらないにしても
父親じゃなくてよかったとも思った……。

小さいころ苦労してきたけど
でも　朝陽さんにこうやって出会って
恋することができなかったかもしれない……。

母の強さに感謝している
悪い娘だね・・・・・・・。


「そのあと真澄さんと？」

「ずっとそばにいてくれたからね。
彼女にも悪いことしてた。
好意を持っていることはわかってたけど
星子さんしか見えなかったから……
自暴自棄になってた時に支えてもらったんだ。」

「司ができた……。」

「そう。
星子さんへの復讐は　幸せな家庭を作ることだったけど
やっぱりダメだったな。
星子さんのように他の女を愛することが
できなかった……。
真澄も司も　不幸にしたよ。
ダメな人間だなって……。」


朝陽さんの指が耳に触れた。

「母は一杯一杯働いて　苦労して
私を育ててくれたの……。それでも母が
笑顔で幸せそうだったのは多分朝陽さんとの
思い出があったからなんじゃないかなって……
今はそう思う……。」

しばらくして
朝陽さんから嗚咽が聞こえた。

「朝陽さん？泣いてるの？」

「う・・・うっ・・・・」
言葉にならない朝陽さんを思いっきり抱きしめて
背中をトントンと叩く

可愛い……朝陽さん……。