Kiss Kiss Kiss

父親の愛人を愛してしまった。
それも 憎い男だった。

「星子さんは不幸な人だった
家族を救うために犠牲になって
最低な男に愛人として囲われた・・・・。」


「私ね恋も知らずに ここに来たのよ。
あの時の 星子さんの顔が忘れられない……。」


「星子さんはね 多分知ってたんだよ。
俺の殺意……あのまま 星子さんがそこにいたら
多分ね 俺は今頃刑務所の中 親殺しで
死刑求刑を受けてたかもしれない……。
寝室から聞こえる 親父のいやらしい声に
星子さんの悲しい声が聞こえて 早くここから
救い出してやりたい…殺すしかない…
気がおかしくなってたんだよね
それに気づいてたと後で知ったんだ。」


私は朝陽さんを力いっぱい抱きしめた。

「母のこと そんなに大切に想ってくれて
ありがとう 朝陽さん……。」

「わかってくれたかな。
きみには 知りたくないことを話てしまったね。
すまない……。」

「地獄の中でもきっと
母は幸せだったと思うの。
王子様に恋をして……王子様はそんな母を
愛してくれたから……。」


朝陽さんは振り向いて私を抱きしめた。


「朝陽さん
それから母とは?」

「最後に会った時 
星子さんのおなかの中には 夕日ちゃんがいたよ。」


二人は結ばれなかった・・・・・。