Kiss Kiss Kiss

それから朝陽さんは母を探し始めた。
父親が生きていたら
母をもうそっとしておくつもりだった。


しかし父親はこの世にいない今
母を堂々と愛せるかも知れない
そんな期待を込めて・・・・・。

父親の会社を継ぐ気は全くなかった。
大学も経営学を学べという父に圧力に
屈せずに行けたのは
星子さんが支えてくれたからだったと言った。


「あきらめないで
あなたの人生でしょ？」

父親からの暴力に泣いている朝陽さんに


「どうして闘わないの？
誰も助けてくれないのよ。
あなたが強くならなきゃ　自分を
守るために　絶対に屈してはダメ！！」

最初は反感で一杯だった愛人


しかし
いつの日か　理解者となっていて

「星子さんが見ていてくれると思ったら
がんばれたんだよね。不思議だろ？
最初は憎くて仕方がなかったのに
いつの間にか　一番大切な人になっていた。」

「母は・・・・
朝陽さんに恋していたのに
どうして姿を消したの？」


朝陽さんの背中は温かかった・・・・・。


「星子さんを愛してると確信した時から
俺の中に殺意が芽生えたからだよ。
父親を殺してやりたい
星子さんを奪うために………
嫉妬と憎しみでおかしくなりそうだった。」

朝陽さんの声が大きくなった気がした。