母が朝陽さんの父親の愛人
そして


朝陽さんが一人だけ愛した人が 母

私をのっとって
二人が結ばれようとしている


真澄さんの言葉を必死でつなげている。


母が裏切って
その傷を今も朝陽さんが引きずって生きているほど
母を愛していた?


「嘘よ……」


だってだって私の母は
浅黒い顔で 働き者の手をして
同級生に バカにされるくらい 男らしくて


恋だの愛だの
そんな甘いこと想像もできる人じゃなかった。
父親がいて
別れるまでは愛し合って


私ができたことだって 
結びつくこともできないほど
母は そんな人ではない。


死ぬ間際に口にした

王子さまに恋をしたの……

それだって私にとっては 信じられないくらいだったのに


朝陽さんと母は愛し合っていた。
純愛?
ううん・・・


もっともっとドロドロしたもので

「おかあさん……嘘でしょ?」


どうしても 自分の知っている母と 女の星子 が
線で交じり合うこともできなかった。