「縛られる……
そんなんじゃないよ。」

「憎くてたまらない人を
愛してしまった……だから
その思い出を強烈に引きずっている……
でもその人は
あなたを裏切ったじゃない……。」

「真澄　どうしてそんな話を今さら？」

「朝陽が
朝陽でなくなるからよ！！！
誰にでも優しい朝陽だったから見守れた。
だけど誰かにだけ
優しい朝陽は許せない！！！」

「優しさの意味を少し間違っていたね。
今さらだけど……正解していたら
きっと一人だけを　愛して暮らしていた。
それは…真澄だったと思うよ。」」

「ずっとずっと
朝陽だけを見てきた……。
小さいころから　暗くて卑屈であなたはいつも
怯えていて　支えてあげなきゃ
壊れてしまいそうで……。」

「だね。本当の俺を知ってるのは真澄だけだよ。
感謝してる……あの時
真澄がすがってくれなかったら
俺は今頃刑務所の中だって……。」

「朝陽とあの人の壮絶だった過去には
少しも入る隙もなかったけど
あの人が朝陽を裏切って…傷ついて
やっと私を必要としてくれた……。
司がお腹に宿ったとき　やっとやっと
朝陽を手に入れたって思ったのに……
終わった呪縛を引きずって……また受け入れてる…。」

何のことだか
さっぱりわからないけれど
朝陽さんの過去は　壮絶だったのだけはわかった。