Kiss Kiss Kiss

「うちの家政婦さんが続かないのは
この毒舌息子のおかげ
厳しいよって言ったけどこれが一番かな。
だいたいは　息子さんに我慢ができませんって
辞めて行っちゃうんだ。」


司とは正反対に穏やかな笑顔で
朝陽さんは言った。

「だからさ　もっといい女にしてよ。
何なら俺が見つけてくるからさ。
どうせ若い女を雇うなら　もっと暮らしに
生きがいの出るようなのにしてほしいな。」


暮らしに生きがいって・・・・・


「家のことをするのに何であんたの
生きがいまで奉仕しないといけないの？」

さすがに私だって頭に来る。

「夕日ちゃん」

朝陽さんの声にドキンとした。


今　夕日ちゃんって呼んだよね？

「私はこれから三時間部屋にこもるから
そのくらいになったら　そこにおいてある
コーヒーをブラックではこんできてくれるかな。」


はいもちろんです～～って
言いたいところだけど　司にそんなとこ
見られたくないから　毅然として

「承知いたしました。」と言った。