「私ちっとも知らなくて
もしかしたら無理やり食べさせたのかな…」

不安になった。

「いえいえ ずいぶん前のことだから
好みが変わったんじゃない?」

「真澄さんは 朝陽さんとずっと知り合いだったんですか?」

「そうよ。幼馴染だからね。」

「昔から付き合ってたんですか?」

「あ ううん……だけど……ま……」

「昔からずっと知ってるのに
どうして別れちゃったんですか?」

質問攻めにしてるのはよくわかってたけど
朝陽さんのこと知りたい

いろんなこと知りたいと思った。


「アイツは……愛さないから……
愛してくれないから 寂しかったのかな……
幼馴染のままなら 辛くないけれど
そばにいると隙間風が吹いて辛かったから……。」

「優しいのに?」

「優しいわよ。すごく・・・・・。
だけどそれは特別なことじゃなくて
誰にでも優しくて温かい……だけど
抱えているものは冷えてて近づこうとすると
それを拒むの……。
夕日ちゃんには まだわからないわね……。」


朝陽さんを好きだけど
朝陽さんのすべてを知っているわけじゃない
抱えているものも
まだ何もわからない……。

「いいのよ
夕日ちゃんには 優しい朝陽さんで~」

そう言うと最後のケーキを口に入れた。