「司によくいじめられないわね。」

「っていうかあんまりいないから……
あ でも私いじめられるのは 慣れてるんです。
小さいころ いろいろやられましたから。」

「どうして?」

真澄が紅茶を飲むのをやめた。

「う~~ん
やっぱ父親がいないから……?
貧乏だったから……
母が男らしかったから?」

「え?男らしいって?」

「真澄さん 母のこと知ってるんですよね?
この間そうじゃないのかなって……。」

「あ……う……
あんまりよくは知らないのよ。」

「母は朝陽さんに昔恋をしてたんですって。
でも真澄さんに適わなかったんですね。
わかる気はします。」

私が笑うと真澄さんが
少し困った顔をした。

「母が真澄さんに勝てる気がしません。
きっと片想いだったんでしょうね。」


「このチーズケーキむっちゃ美味しいわ!!」

いきなりほおばって真澄さんが叫んだ。

「ありがとうございます。
朝陽さんが大好物なんです。」

嬉しくなってそう答えた。

「朝陽もこんな甘いもの食べるようになったんだ。」

「え?」

「甘いもの前は大嫌いだったんだけどね。
変わったヤツでね~~」

朝陽さん……嫌いだったんだ……。