「ちょっと待ってよ雅貴。まさか、私がいるからって思ってるんじゃないわよね?」

まさか、そんな訳はない。

新入社員研修で5日間一緒にいただけで、あれ以来音信不通だ。

タイプって言われたのだって、本気じゃない事くらい分かってる。

雅貴にしては子供じみた推理に、思わず吹き出した。

「何がおかしいんだよ」

「だって、たった5日一緒にいただけよ?私の事なんて忘れてるって」

すると、雅貴はムッとした顔を向けた。

眉間のシワが深いってば。

「お前、忘れたのか?事務処理No.1で、二期連続社報に載ったのを」