「あら?あんた、そんな子いるの?」 「…予定だよ」 「何だそれは。あてのない話だなぁ」 お父さんとお母さんの会話も、全然耳に入らない。 彼女って、雅にぃに大事な人が出来るって事? ウソ。 嫌だよ、そんなの。 「だから、萌もいい加減、友達と遊んだりする習慣をつけろよ」 雅にぃは、そう言ってご飯を食べ切ると、部屋へ行ってしまった。 「冷たい事言う子ね。萌ちゃん、こっちから願い下げって言ってやりなさい」 冗談めかしたお母さんに、私はただ笑って返すしか出来なかった。