ガラスの靴をもう一度



「何?萌…」

雅貴は穏やかな笑顔を浮かべ、私を見つめた。

「ううん。何でもない」

その笑顔、昔も今も大好き。

つられて私まで、笑顔になっちゃうから。

「何だよ。気になるじゃん」

そう言って雅貴は、私を抱き寄せた。

ベッドで横になったまま、感じるその温もり。

微かに匂う甘いコロンの香りは、初めて雅貴に抱いてもらった時から、変わらないものだった。

「ずっと、一緒にいたいなって思っただけ」

雅貴の胸に顔を埋め、目を閉じた。