だって、私はお母さんの記憶がないから。 そのお母さんに似てるって言われたら、お母さんが側にいるように感じる。 「今でも十分に可愛いわよ。雅貴、萌ちゃんが側にいて欲しいなんて言ってくれるのも、今だけかもよ?」 クスクス笑うお母さんに、雅にぃはハンバーグを食べる手を止めた。 「その方が助かるよ。今日だって、友達と野球が出来なかったしさ」 不満そうな雅にぃは、私を少し睨んだ。 「ごめんなさぁい…」