ガラスの靴をもう一度



ごく普通の家庭で育った私には、カルチャーショック過ぎたのよね。

確かに、雅にぃの実家も、我が家の倍の大きさではあるけれど…。

大学生になっても、雅にぃの家に居られるのは日没まで。

だいぶ門限が緩和されたとはいえ、雅にぃは夜に家へ居る事は許してくれなかった。

「萌を本気で大切にしたいから」

そう言って、絶対にキス以上の事はしてくれなかった…。

だけどただ一つ、約束してくれたのよね。

「萌が20歳になったら」

って…。

ねえ、雅にぃ。

私、やっと20歳になったよ。

“大人”

に、やっとなれたよ。