まったく、お父さんには敵わないわ。 玄関のドアを開けると、ちょうど雅にぃの車が着いたところだった。 「お互い、ピッタリだったな」 私が助手席に乗り込むと、雅にぃは笑った。 「うん!ねえ、雅にぃ。今日はどこに行く?」 初夏の少し蒸し暑い午後、いつもならお決まりのデートコースがあるにも関わらず、私は敢えて聞いてみた。 ショッピングにお茶に、そして夜にはディナー。 それが定番。 実は私たち、付き合って4年経つけれど、キス以上の関係はない。