ガラスの靴をもう一度



----20歳。

「萌も20歳なんだなぁ。死んだ母さんも喜んでるよ」

「うん。だといいな…。お母さん、行ってきます」

遺影の中で笑うお母さんは、可愛くて優しそうで、最近お母さんと瓜二つだと言われる様になって嬉しい。

手を合わせ祈っていると、

「行ってきますってお前、雅貴くんに会うんだろ?」

お父さんが茶化す様に言ってきた。

「もう!余計な事を言わないでよ。とにかく、行ってきます!」

「はいはい。行ってらっしゃ~い」