ガラスの靴をもう一度



それは、少し気がかりだけど…。

「心配?」

雅貴は顔を覗き込んできた。

「えっ?そ、それは、まあ…。普通に心配」

しどろもどろで答えると、雅貴は笑った。

「萌は優しいよな。だけど、俺はもう離さないよ。どんなに目の前に、いろんな男が表れようとも、絶対に萌を離さない」

「私だって、雅貴がもし私を飽きても、絶対に離れないから」

お互いに微笑み合ながら部屋へ入ると、雅貴はその場で待つ様に言ったのだった。

そして、クローゼットから、あの靴を持ってきたのだった。

「この靴、直ったの?」

「ああ。直ったよ。それにしても、あの時、萌がいたなんてな」

笑いながら雅貴は、私をベッドへ座らせた。

そして左足に手を添えると、靴を履かせてくれたのだった。