ガラスの靴をもう一度



待つのが、こんなに苦痛だとは思わなかったな。

そうだ。

俺がアメリカから帰国した時、空港へ迎えに来た萌と、入れ違いになった事があったっけ。

オヤジさんから、萌が空港へ向かったと聞いて、慌てて引き返したんだよな。

あの時、萌はどれほど俺との再会を、心待ちにしていたのだろう。

そして、どれほど心細く、一人で待っていたのだろう。

それを考えれば、今の俺は甘いな。

愚痴なんてこぼさず、待っていよう。

きっと、萌は来てくれるはずだ。

あの頃感じた萌の気持ち、俺も共有するよ。

いや、共有したい。