ガラスの靴をもう一度



今日も晴れ渡る青空。

太陽が眩しいくらいで、絶好のフライト日和…。

「ダメだ。頭の中が萌一色になっている」

いや、今日は一色でもいいんだ。

今日だけは…。

車を走らせ空港へ着くと、そこは相変わらず人でごった返していた。

「萌の飛行機は、13時15分着予定か…」

1時間以上前に、着いてしまったな。

だけど家へ居ても落ち着かないし、ここで時間を潰す方がいいか。

そう思い、到着ゲート付近のベンチに落ち着いた。

それにしても、さすがアメリカだな。

恋人同士の再会か、人目もはばからず、抱き合ったりキスをしたり…。

こういう現場にも慣れたつもりなのに、今の俺には刺激が強いよ。

「いいね、みんなは。幸せそうで」

愛しい恋人を抱きしめる事が、どれだけ幸せな事か。

その唇に触れる事が、どれだけ幸せな事か…。

分かるか?

ヤバイ、ヤバイ。

無意識にガン見してたな。

これじゃ、怪しい東洋のオッサンだよ。