「ああ、そうか。じゃあ、その資料は置いておいてくれるか?すぐ戻る」 テキパキと会話をする雅にぃに、もう子供の頃とは違うんだって、はっきりと分かる。 雅にぃは携帯を切り、小さくため息をつくと、申し訳なさそうに私を見た。 「ごめんな、萌。会社に戻らないといけなくなった」 「ううん。いいの。それより、大丈夫?無理して私との約束、守ってくれたんじゃないの?」 すると、雅にぃは優しく私の頬に触れたのだった。 「そんな事ないよ。萌に会うのは楽しみにしてたんだ。それなのに、ごめんな」