ガラスの靴をもう一度



雅にぃは、ラウンドトゥ、丸みを帯びたつま先が若々しいからと、ケタ違いの靴を買ってくれた。

「萌は赤が良く似合うから。特に深い赤」

帰りの車の中で、雅にぃは楽しそうに言っている。

「ありがとう…」

ガラスの靴、私にとっては本当にガラスの靴だよ。

高鳴る胸を感じた時、雅にぃの携帯が鳴った。

「会社から?」

「多分。ごめんな。ちょっと停まる」

脇道に入った雅にぃは、端に車を停めて電話に出たのだった。