ガラスの靴をもう一度



ホテルに行きたいって会話は、その商談の事だったの…?

「大丈夫なんですか?契約破棄なんて事には…」

「何とか大丈夫だったよ。優花が頭下げてくれてさ」

麻生さんが、そこまで…。

性格はどうであれ、仕事では本当に敏腕なんだ。

雅貴にとっては、大切なパートナー…。

でも待って。

“体がもつかな?”って会話は?

「あの夜、優花とホテルのバーを使ったのも、好印象だったみたいで。何が気に入られるか分からないよな」

「そうですよね。麻生さん、かなり飲みっぷりですもんね」

葉山さんの笑い声と共に、雅貴の笑い声も聞こえる。

「そうそう。フラれた慰めにって誘ってくれたんだけど、ついていくのに必死だったよ」

それが真実なの?

じゃあ、麻生さんは、わざとウソをついたって事なんだ。

私が本当の事だと思っていたものが、ウソだった…?