「では、どうしてこの靴を修理に?」 葉山さんの質問に、雅貴の返事は少し間が空いて返ってきた。 「萌がもう俺を見てくれなくても、やっぱり好きな気持ちに変わりない。この靴は、萌がガラスの靴って言ってたものなんだ。自分への戒めだよ。もう一度直して、どうして萌が離れていったか、ちゃんと考えたくてさ」 「雅貴さん…。直接、萌さんにおっしゃればいいのに」 「迷惑だよ。新しい恋を掴んだんだ。いつも側にいてくれるって、そう思ってた俺にバチが当たったんだよ」